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積算価格とは

目次

銀行融資の可否を左右する担保評価の基礎知識

不動産投資で物件を購入する際、銀行が「いくらまで貸せるか」を判断する材料は、販売図面にある「売出価格」だけではありません。銀行は、万が一返済が滞った際の回収可能性をシビアに見定めます。

その際に用いられる重要なモノサシが「積算価格」です。これは土地と建物を別々に評価して積み上げる手法で、銀行が算出する「担保評価額」の基礎となります。ただし、融資の可否はこれだけで決まるわけではなく、個人の属性や収益性も含めて総合的に判断される点をまずは理解しておきましょう。

不動産投資の積算価格とは? 銀行融資の担保評価の基礎となる計算方法 積算価格 = 土地評価 + 建物評価 🏞️ 土地評価 路線価 × 面積 例)20万円/㎡ × 100㎡ = 2,000万円 ✓ 補正要素 • 奥行補正 • 不整形地補正 • 間口の広さ など 🏢 建物評価 再調達単価 × 面積 × 残存率 例)15万円/㎡ × 150㎡ × 0.5 = 1,125万円 ✓ 評価要素 • 経年劣化(減価修正) • 建物附属設備 • 修繕履歴 融資額への変換プロセス 1️⃣ 積算価格を算出 土地2,000万円 + 建物1,125万円 = 3,125万円 2️⃣ 担保掛目を適用(70-80%) 3,125万円 × 0.8 = 2,500万円(担保評価額) 3️⃣ 収益性・属性審査 → 最終融資額決定 📊 重要な審査指標 DSCR(返済余裕率) = NOI ÷ 年間返済額 LTV(借入比率) 評価額に対する借入割合 NCF(正味CF) NOI – 返済額 ⚠️ 投資家の確認ポイント ✓ 積算乖離のバランス 売買価格 vs 積算価格 ✓ 一物五価での確認 実勢・公示・基準・路線・固定資産税 ✓ 出口戦略と流動性 💡 簡易積算の10分手順 1. 国税庁サイトで路線価を確認(千円/㎡単位に注意) 2. 土地評価:路線価 × 面積(不整形なら1-2割減) 3. 建物評価:再調達単価 × 面積 × 残存率 4. 合計に掛目0.8を乗じて融資上限の目安を算出

土地と建物を個別に評価して合算する計算の仕組み

積算価格は、その名の通り「土地の評価」「建物の評価」を計算し、最後にそれらを足し合わせて(積算して)算出します。 計算式自体はシンプルですが、実務では様々な補正や専門的な考え方が加わります。それぞれの計算方法を詳しく見ていきましょう。

土地は路線価や倍率方式で補正を加えて算出します

土地評価のベースとなるのは、国税庁が公表する「相続税路線価」です。

路線価がない地域では「倍率方式」を用い、「固定資産税評価額 × 評価倍率表の倍率」で算出します。 ただし、単純な掛け算だけでは正確な評価は出ません。国税庁の「奥行価格補正率表」や「不整形地補正率表」などを参照し、土地の形や間口の広さに応じた補正を加えることで、実態に即した評価額を導き出します。

建物は鑑定基準に基づく原価法で現在価値を求めます

建物は、不動産鑑定評価基準に定められた「原価法」という考え方で評価します。

「今、同じ建物を新築したらいくらかかるか(再調達原価)」を算出し、そこから経年劣化分を差し引く「減価修正」を行います。 また、建物本体だけでなく、電気・給排水などの「建物附属設備」や、過去の修繕履歴も評価に影響します。適切にメンテナンスされていれば、計算上の価値が長く維持されることもあるのです。

算出された積算価格が融資額になるまでの流れ

「積算価格=借りられる金額」と考えるのは早計です。 銀行内では、算出した積算価格をベースに、リスクヘッジのための調整や、返済能力の審査を行います。最終的な「融資額」が弾き出されるまでのプロセスを整理します。

掛目や抵当権順位で調整したものが担保評価額です

銀行は保守的に評価を行うため、積算価格にそのまま融資するとは限りません。

一般的には、積算価格に金融機関ごとの「担保掛目(70%~80%程度が目安)」を掛け、最終的な「担保評価額」を算出します。 この際、抵当権の順位(1番抵当か2番以降か)や、他に担保として提供できる物件(共同担保)があるかも考慮されます。

積算価格が高くても、掛目や担保余力次第では希望額に届かないこともあると覚えておきましょう。

返済比率や収益性も含めた総合的な審査が必要です

担保価値(積算)と同時に重視されるのが「収益性」です。 家賃収入から運営費を引いた「NOI(純収益)」や、そこからさらに返済額を引いた「NCF(正味キャッシュフロー)」を確認します。 ※NCFの定義は文脈により差があり、大規模修繕費や税金を控除して捉える場合もあります。

特に重要視されるのが以下のDSCRという指標です。

DSCR(借入金償還余裕率) = NOI ÷ 年間元利返済額

この数値などを用いて返済の安全性を確認し、LTV(評価額に対する借入比率)のバランスも見ながら融資可否が判断されます。

団信や保証会社など融資条件に関わる周辺要素

融資額だけでなく、条件面にも目を向けましょう。 団体信用生命保険(団信)への加入必須や、保証会社の利用、火災保険請求権への質権設定などが条件になることがあります。これらは実質的なコスト増になるため、積算価格だけでなく、トータルの収支バランスへの影響を加味する必要があります。

投資家が実践すべき簡易積算手順とリスク判断

最後に、投資家自身が物件資料を見た段階でできる「簡易積算」の手順と、数字の裏に潜むリスクの見極め方について解説します。 この作業を習慣化することで、スピーディーな投資判断が可能になります。

公的資料を参照する10分間の簡易積算ステップ

物件資料と、国税庁サイトの「路線価図・評価倍率表」があれば、ざっくりとした積算価格は自分で計算できます。なお、路線価図の数字は「千円/㎡」単位(例:200=20万円/㎡)で表示されている点に注意してください。

  1. 土地の試算(例:100㎡、路線価20万円の場合)
     20万円 × 100㎡ = 2,000万円 ※形が悪い場合は、目安として1~2割減額して見込みます。
  2. 建物の試算(例:延床150㎡、再調達単価15万円、残存期間半分の場合)
     15万円 × 150㎡ × 0.5 = 1,125万円 ※銀行の内部基準で単価や残価率は変わるため、これはあくまで一次スクリーニング用の目安です。
  3. 担保評価額の想定(掛目0.8の場合)
     (2,000万円 + 1,125万円)× 0.8 = 約2,500万円 この金額が融資の上限レンジの目安となります(実際は収益性・属性等も踏まえて決まります)。

積算乖離と実勢価格のバランスを見極める

積算価格から売買価格(成約価格)を引いた差を「積算乖離(せきさんかいり)」と呼びます。このプラス幅が大きいほど、フルローン等の可能性が高まりますが、以下の観点で「数字の落とし穴」がないか必ず確認してください。

  • 出口戦略と流動性
     積算が高くても、賃貸需要がないエリアや売却しにくい特殊な建物ではないか。
  • 一物五価でのチェック
     路線価だけを見るのではなく、「実勢価格」「公示地価」「基準地価」「路線価」「固定資産税評価額」の5つの指標を確認し、土地取引の指標となる正常な価格(公示地価・基準地価)と乖離しすぎていないか。
  • 収益性の確認
     積算評価は高くても、空室率や運営費が高く、手残りが少ない物件ではないか。

積算価格は強力な武器ですが、あくまでツールのひとつです。「銀行評価」と「投資としての実利」の両輪を確認して判断しましょう。

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